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2020年2月議会一般質問その2「UD(ユニバーサルデザイン)フォントの活用状況」について

みなさんこんにちは。佐野市議会議員の早川たかみつです。昨日に引き続き一般質問について書きます。今回はUD(ユニバーサルデザイン)フォントの活用状況についてです。

1.UDフォントってどんなもの?

UD(ユニバーサルデザイン)フォントとは…

UD Font (Universal Design Font : ユニバーサルデザインフォント ) 少し前から注目をされている「ユニバーサルデザイン」のコンセプトに基づいたフォントです。

※UD(ユニバーサルデザイン)とは、”できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザイン”を基本コンセプトとしたデザインの事で、人が生活する上で「使いやすさ、見やすさ」といった細かい部分にも配慮・工夫をしたデザインをさします。

一般の人はもちろん、お年寄りや障害者の方、外国人の方など皆が「便利だな、使いやすいな」と思えるデザインです。

フォントの分野で言うと「製品に見やすいフォントを」と言う考えで松下電器(Panasonic)とイワタで2006年に共同開発された「イワタUDフォント」が
最初になります。特に最近では高速道路の標識をはじめ、公共機関の案内版にも視認性が良いものに変更が進められており、UDフォントが採用されている件数も増えて来ているようです。

-Font Garage ウェブサイトより引用

さらにもう少しだけモリサワフォントさんのサイトから引用して解説します。

「通常の教科書体」は楷書に近い形で線の強弱があるため、読みにくいことがあるようです。また、その上の「通常のゴシック体」は教育現場に準じた書き方と違うため、書き順を教えにくいという側面がありました。そこを改善したのがUDデジタル教科書体です。読みにくい、書き順を教えにくいといった欠点を補っているのが特徴で、学習指導要領に準拠した字形になっています。そのような事から、ロービジョンと言われる弱視の方や、ディスレクシアといった読み書き障がいの方にも配慮してデザインされ、読みやすさについて科学的根拠も得られているとされます。またユニバーサルデザインということもあり、そのような障碍者の方だけではなく多くの方に見やすい書体でもあるわけです。

2.教育現場での活用状況について

そこで佐野市ではこのようなUDフォントがどういった形で使われているのか確認をしました。まずは教育現場である佐野市の小中学校ではどのように使われているかを質問しました。

執行部の答弁まとめ

使用している教科書はUDフォントを活用され、文字の大きさや書体、文字間や行間などもユニバーサルデザインに配慮がなされており、児童生徒に読みやすいような工夫がされている。

教科書はユニバーサルデザインに配慮されていることが確認できました。ここで最近話題になっているGIGAスクール構想によってタブレットPCの導入も進むことからデジタル教材などや電子黒板といったIT機器の対応状況も再質問しました。

執行部の答弁まとめ

電子黒板やタブレットで利用する場合のデジタル教科書でもUDフォントは利用されている。今年度整備した教員や児童生徒が利用するタブレットパソコン、教員が公務で利用しているノートパソコンにも教科書体のUDフォントが利用できるようになっている。

これはWindows10のPCであればデジタル教科書フォント自体がインストールされているため当然の事であります。ある意味ではPCも新しいものに交換出来ている事が確認できました。

3.市役所内でのUDフォントの活用状況について

さて、ここからが実は本題となります。UDフォントは教育現場で使われる事が想定されていました。ですから教育現場ではほとんどの場面で活用されています。一方で市役所内での活用状況はどの程度なのでしょうか?

執行部の答弁まとめ

・くらしのガイドマップや佐野市勢要覧でUDフォントを使用している。
・パソコンに関しては一般事務の職員用PC約1,100台のうち55%の約600台ほどでUDフォントが使用できる状況。

なぜか、PCの入れ替え状況まで分かってしまいました(Windows7のサポート期限も迫っているため、PCの更新も促したいところです)。しかし実際活用されてる印刷物などは2つの事例しかなかったことから、UDフォントは現在のところあまり使われていないようです。私からはすべてをUDフォントにすることはデザイン性が損なわれる懸念もあるため、ユニバーサルデザインに対する理解を深めてた上で、効果的な活用をしていくことを要望しました。その上で今後どのような形でUDフォントを活用していくのか質問しました。

執行部の答弁まとめ

・賞状や標示物などデザイン性や使用目的によってUDフォントだけの使用に統一することは難しい面もある。
・パソコンの入れ替えについては今後4、5年ですべてのPCがUDフォントが使用できる状況になる。
・全庁的なユニバーサルデザインの推進という観点も踏まえ今後研究していきたい。

といった内容でした。私からは、UDフォントの活用を通してユニバーサルデザインの理解を深めること、参考事例として茨城県の行方市の広報紙はUDフォントを使用し伝わる広報紙づくりに取り組み、市が発信する文書にもUDフォントを使用する取り組みを試行的に取り組んでいる事を紹介し、最終的にはユニバーサルデザイン推進条例などの制定を目指して欲しいと要望し今回の一般質問を終了しました。

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