日々の活動

2020年2月議会一般質問その1「災害対応における今後の体制整備」について

こんにちは、佐野市議会議員の早川たかみつです。今回は前回の一般質問の積み残しとなっていた、昨年の東日本台風の被災を受けて、災害対応における今後の体制整備についてとUD(ユニバーサルデザイン)フォントの活用状況について質問しました。一般質問の通告書はこちらからダウンロードできます

被災後の市の対応を確認する

佐野市は2020年を復興元年として、早期の復旧復興に向け詳細なロードマップを作成しています。これに基づき、被災者の実情に合わせて柔軟に見直しを図ることも含め、数多くの取組を行っています。今回の議会でも多くの議員が河川の復旧、改修の状況を含めたハード面に関する質問をしていました。この河川の復旧、改修などについては完了までにどうしても時間がかかってしまいます。一方でソフト面に関しては早急に改善できる可能性があると私は思っています。そこで今回はソフト面を充実させるという観点から質問をしました。まずは、被災後の各町会への対応ついてです。1月19日に佐野市文化会館において開催された「復興の集い」の場で、2月頃までに各町会への聞き取りをして今後の災害対応に生かしていくと市側から発言がありました。そこで実際に聞き取りをどのように行ったか確認しました。

執行部の答弁まとめ

・昨年12月中旬から2月中旬にかけて、町会や自主防災組織の役員、地元の防災士や各種団体の代表者に集まってもらい、市内20地区ごとに意見交換会という形で開催した。
・避難所や避難及び二次避難及び避難経路、避難の在り方を始め、避難所の状況について意見を伺った。

主には避難について意見を伺ったようです。被災当時、市が各町会に被害状況や支援物資の配布などを含めた様々な事について、町内すべての方に情報を伝えるようにお願いしていました。しかし振り返ってみると町会長も被災したケースもあり、市からのお願いに町会が全て対応することは難しかったという声をいくつか聞いていました。私は被災した市民の声を可能な限り拾っていくのも行政の役割だと思っています。そこで直接被災者の方々に意見を伺うといった手法は取っていたのか確認しました。

執行部の答弁まとめ

・被災者に対して約3,300世帯の被災者宅を訪問し、聞き取り調査を行った。
・様々なご意見やご要望については、関係各課と連携し、対応。その他地域担当職員による各町会への状況の聞き取り調査なども実施。

聞き取り調査ついては、すでに岡村恵子議員からも同様の質問がされ、同様の回答をされていました。保健師さんがペアを組み、被災者宅を訪問している様子は私自身も見かけていました。ただこれはあくまで健康状態の確認や健康相談、感染症予防の注意喚起を行うためのものであって、その聞き取りの際になんらかのご意見を承った場合に限り、各課と連携していたものと考えられます。その点を指摘し、今後は、例えば保健師と他の係員をペアにして、健康状態以外の意見の聞き取りもできるようにするなどの体制を構築するように要望しました。それに対して執行部は改めて被災世帯に対してアンケート調査を実施したいと前向きな答弁を得ることができました。

2.災害発災時の連絡体制について

災害発災時は多くの情報が飛び交いました。12月議会の一般質問では川嶋嘉一議員が災害対策本部の電話機の設置台数について質問しており、被災者の問い合わせにはピーク時に最大26台使用し、対応していたとの答弁を確認していました。では、55か所設置されていた各避難所にいる職員と災害対策本部にいる職員はどのようにやり取りしていたのかが気になりましたので質問しました。

執行部回答まとめ

 必要な避難所への連絡については主に防災、気象情報メールや災害対策本部からのメール配信で行っていた。緊急的な連絡については開設担当職員の携帯電話へ直接連絡していた。

さて問題は、災害対策本部から連絡をする時の話はもちろんのこと、各避難所の職員が災害対策本部に連絡をしてきた際に十分な対応ができていたかという点です。被災者からの電話も55か所の避難所の職員から受ける電話も、この26台の電話で対応していたわけですから、どう考えても足りない状況でした。その点答弁で触れられていないため再質問で確認しました。

執行部回答まとめ

基本的には災害対策本部へ電話をする体制を取っていたが、多くの電話を受けている状況もあって繋がりにくい状況もあったと考える。本部事務局職員の携帯電話へ直接連絡があったケースも確認している。

仕方のない事ではありますが、様々な手段を使って連絡をつけようとした事は確認できました。一方で各避難所での対応が異なったといった事も実際避難された方からお声をいただきました。例えば非常食の配布の有無や、ペット同伴の可否等です。その場で確認する事ができていれば統一した対応ができたかもしれませんが、今回は難しかったようです。この連絡体制の整備については改善の余地がありそうだと感じました。

3.アプリの活用で連絡体制の確立を

そこで、連絡手段としてスマホアプリ(LINE等)の活用を提案しました。メリットとして次のような事が考えられます。

LINE等のアプリを使う事によるメリット

・リアルタイムで情報を一斉に発信、または一括で情報を受信できる
・人的コストの軽減ができるため、その分のリソースを他の業務に回せる
・情報の即時性が上がる

もちろんこれは災害によってインターネット環境に障害が出ていないこと、またLINEを使用する場合はアカウントを個人のものと別に用意する必要があるといった条件をクリアする必要があるものの、全ての避難所と対策本部が遅延なくやり取りする事が可能になるため非常に有効であることを説明し、執行部に見解を伺いました。

執行部の答弁まとめ

・有効な伝達手段の一つと考えている
・ビジネス版ラインと言われるラインワークスなどの活用するといった手法も研究しながら有効な体制を構築したい

という内容でした。研究という答弁なのでまだまだ積極的な活用は考えていないニュアンスではありましたが、サービス利用の費用が一人当たり月額400円以下のプランもあることを事例として紹介し、コストの最適化も考慮した体制構築を要望しました。

佐野ケーブルテレビ放送のチェック体制の確立

被災当時も水位と変動は欠損のままでライブカメラの映像は水位が下がった映像のままだった

続いて佐野ケーブルテレビ放送のとの連携とチェック体制を確認しました。発災時、多くの方がネットやメディアから災害情報を入手していました。佐野ケーブルテレビも重要な情報源の一つでした。特に高齢の方は、ネットやメールではなく、ケーブルテレビを重用していたようです。まず佐野市は佐野ケーブルテレビと災害発災時にどのような連携をとっていたか執行部に確認しました。

執行部の答弁まとめ

・平成29年6月に災害時における放送要請に関する協定を締結。災害発生時などの緊急を要する場合には放送要請を行い通常放送番組に優先して災害情報を放送できるように連携している。
・具体的には、避難勧告などの避難情報、避難所開設の状況、また市のホームページやツイッターなどで発信した情報をテロップ放送などを発信していた。

協定を締結することで、ネットと同様の情報も提供する体制が整っていたことは非常に評価できます。

一方で残念な事もありました。佐野ケーブルテレビではデータ放送で栃木県のホームページの情報を流用し秋山川河川の水位計と大橋のライブ映像を見ることができます。しかし発災当時水位計は故障してしまい、水位変動欠測となり、10分おきに更新されるライブカメラの映像はアクセスが集中した結果、その負荷に耐えられず水位が高くなった状態の画像が表示されなかったという状態でした。このおかげで避難をせずに被害を受けた方もいらっしゃったようです。この点どのように是正していくのかを聞きました。

執行部の答弁まとめ

水位計の故障により政策な水位の状況が表示されないことは把握していたが、是正する対応ができていなかった。今後は協定に基づき適切な連携を図りたい。

との回答。本来であれば災害対策本部で佐野ケーブルテレビの放送状況を確認するといった事も必要だと思っています。今後の対応に期待したいところです。

 

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